便利と思うことの裏には、
その代償があるもの。
便利と不便はワンセット。
カーナビは便利です。
目的地まで最短距離で着きます。
一方で、勘が働かなくなりました。
例えば、初めて訪れる旅先。
カーナビがなかった頃は、
「この雰囲気は港が近いぞ」とか、
「うまい蕎麦屋があるパターンだ」
という嗅覚が冴えました。
予感通りの偶然の出会いが、
旅にいろどりを添えてくれたものです。
それが今では、ナビやネットに従って、
可もなく不可もない、
無難なコースを歩むようになりました。
どちらが良かったのか?
悩ましいところです。
さて、
山小屋を構えるとき、
「不便を楽しむ」という
コンセプトを掲げました。
ところが、ヒトとは気を抜くと、
便利に甘えるもの。
電動工具や、気の利いた
アウトドアグッズがどんどん増えます。
これはいけない、とモノを減らす。
また増える。いつもこの繰り返し。
世の中の、時短やコスパが
悪いわけではありません。
ただ、この便利の代償は何か?と
見つめ直すひとときは、
時短したくないものです。
「もっと遠くへ。もっと孤立無援に。
もっと不便に。もっとシンプルに。
もっと自給自足で。もっと貧乏に。
もっと無名に。
そして、もっと豊かに」
田淵義雄「森からの伝言」より
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